認知症の方の運転を、いつやめさせるべきか悩んでいませんか。
結論から言うと、日常生活の中にいくつかの“危険なサイン”が出始めた時点で、運転は見直すべきタイミングです。
久しぶりに実家へ帰ったとき、
「何か違う」と感じたことはありませんか。
認知症は突然始まるものではなく、日常の中に少しずつ変化が現れます。
しかしその変化は分かりにくく、「年のせい」「気のせい」で見過ごされてしまうことが多いのが現実です。
この記事では、主任ケアマネとして現場で見てきた経験をもとに、帰省時に確認しておきたい認知症のサインと、運転をやめるべきタイミングについて解説します。
認知症の人に運転をやめさせるべきサインとは
以下の項目に複数当てはまる場合は注意が必要です。
■ 環境の変化
- 部屋が散らかっている(以前はきれい好きだった)
- 冷蔵庫に同じものが増えている
- 賞味期限切れの食品が放置されている
- 水回りの汚れが目立つ
■ 行動の変化
- 車に傷やへこみが増えている
- 同じ話を何度も繰り返す
- 落ち着きがない・イライラしやすい
- 表情が乏しくなっている
■ 記憶の変化
- 直前の会話を忘れる
- 予定を覚えられない
- 家族のことが一瞬分からなくなる
特に「車の傷」は重要なサインです
認知症の運転で起こりやすい事故の前兆【実例】
私が担当していたご夫婦のケースです。
奥様は元看護師で、介護も完璧。
誰が見ても「問題ない」と思える状況でした。
しかしある日、車に小さな傷が増え始めました。
「ちょっと事故をしてしまって」
最初はそう話されていましたが、
同じことが何度も続きました。
結果的に、奥様はアルツハイマー型認知症と診断されました。
そして何より印象的だったのは、
言葉が出にくいご主人が、ずっと異変に気づいていたことです。
私は「話せる介護者」ばかりを見て、
「話せない本人」のSOSを見逃していました。

認知症の運転をやめるタイミングはいつか
認知症は進行性の病気です。
しかし、早期に対応することで
- 進行を遅らせる
- 生活を維持する
ことが可能です。
最近では新しい治療薬も登場し、
早期発見の重要性はますます高まっています。

家族が運転をやめさせるためにできること
無理に取り上げるのではなく、段階的に進めることが重要です。
・車を使う機会を減らす
・家族が送迎する機会を増やす
・医師や専門職の意見を伝える
本人にとって運転は「自立」の象徴です。
頭ごなしに否定するのではなく、納得できる形で進めることが大切です。
認知症の疑いがあるときの相談先と対応方法
「おかしいかも」と思ったら、すぐに相談してください。
- 地域包括支援センター
- 認知症疾患医療センター
「〇〇市 地域包括支援センター」で検索すれば見つかります
帰省時の違和感は、見逃してはいけない大切なサインです。
美味しいものを食べることやお土産よりも、
「親の変化に気づくこと」が最大の親孝行です。
もし「あれ?」と感じたら、
その直感を無視せず、一歩踏み込んでください。
普段離れて暮らしているからこそ、
久しぶりに会ったときの「違い」に気づきやすくなります。
毎日一緒にいる家族よりも、
帰省した子どもの方が異変に気づくケースは少なくありません。