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3年以内に支払う予定があり、値下がりすると支払いに困る教育費は、現金預金で確保することを基本に考えましょう。
NISAは運用益を非課税にする制度ですが、学費を使う日に必要額がそろうことを保証する仕組みではありません。

「預金のままでは増えにくい」
「子どもの進学まで少し時間がある」。
そんなときほど、投資する金額を決める前に、支払う時期を確かめることが大切です。
この記事では、教育費と長期投資を分ける手順を、架空の家計例で整理します。

情報確認日:2026年10月22日。保護者自身の資金管理と成人のNISA利用を前提にした一般的な解説です。「3年」はこの記事で近い支出を整理するための期間で、制度上の線引きでも、安全に運用できる年数でもありません。

教育費の準備で先に決めたいのは「使う日」

同じ教育費でも、来年の入学金と、10年以上先の進学に備えるお金では、取れるリスクが違います。
価格が下がったときに支払いを延期できるか、別の資金で補えるかを分けて考えます。

NISAで保有する投資信託などは値動きがあります。仮に学費用の100万円が支払直前に20%下がれば、評価額は80万円、不足は20万円です。
これは相場予測や損失の上限ではなく、家計が耐えられるかを見るための計算例です。

長く保有するつもりでも、学費の納付日が来れば売却が必要になるかもしれません。
「回復するまで待つ」と決められないお金には、その制約があります。

金融庁も、生活設計に合わせて貯蓄と投資を使い分けること、投資には元本割れのおそれがあることを説明しています。
出典:金融庁「資産形成の基本」。

預金とNISAは、役割を分けて比較する

NISAは口座の制度、預金は金融商品なので、同じ種類の商品ではありません。ここでは「円預金で準備する場合」と「NISAで価格変動のある投資信託等を保有する場合」の違いを比べます。

確認点円預金で準備NISAで投資信託等を保有
主な役割支払う時期が近いお金の確保値動きを受け入れられる資金の長期運用
気をつけること物価上昇で実質的な価値が下がることがある使う直前に元本割れすることがある
使えるまでの時間普通預金は引出条件、定期預金は満期・中途解約条件を確認売却から受渡・出金までの日数を確認
費用・条件振込・ATM手数料、金利、預金保険の対象・範囲信託報酬等の商品費用、換金条件、対象商品

預金にも注意点はあります。金利だけで選ばず、学費の振込時に使えるかを確認しましょう。
特に定期預金を使う場合は、納付期限より後に満期が来る組み方を避けるなど、予定との調整が必要です。

一方、NISAでも商品にかかる費用はなくなりません。投資信託なら信託報酬などを確認します。非課税という利点だけで、必要な現金まで投資に回さないようにしましょう。制度の確認:金融庁「NISAを知る」。

教育費を分ける3つの手順

1.入学時だけでなく、支払いごとに書き出す

「大学で数百万円」のように総額だけを置くと、最初に必要な金額が見えにくくなります。受験料、入学金、前期・後期の授業料、住まいの初期費用など、想定する項目を分けましょう。

金額と期限は、進学先候補の最新の募集要項や納付案内で確認します。まだ決まっていなければ「仮の予算」と明記し、候補が具体化した時点で更新します。入学月だけを見て準備を進めず、最初の納付期限から逆算するのがポイントです。

2.教育費の預金を生活費と区別する

口座残高が200万円あっても、その全額が教育費とは限りません。生活費、急な支出への備え、車検や税金などに使う分を差し引いて、教育費として使える残高を把握します。

必ず新しい口座を作る必要はありません。手持ちのノートや表計算で「生活用」「教育費用」と残高の内訳を記録する方法でも構いません。大事なのは、同じ100万円を教育費にも緊急用にも数えないことです。

3.足りない分を、利益なしで計算する

まず、予定額から教育費として確保済みの預金を引き、支払いまでの積立回数で割ります。投資利益を入れずに計算すると、毎月の家計で準備できるかを確認できます。

例:24か月後の支払いに96万円を用意し、すでに48万円を確保している場合、残り48万円÷24回=月2万円。金利・手数料・物価変動を含めない単純な準備例で、実際の学費相場を示す数字ではありません。

もし教育費と投資に回せる余裕が月3万円なら、この例では月2万円を教育費用の預金へ回した後、残り1万円についてNISA等での運用を検討できます。ただし、別の支出や緊急用資金が不足していないことが前提です。余裕が月2万円しかなければ、教育費を優先する選択も自然です。

すでに教育費をNISAに入れている場合は?

まず「教育費として必要な額」「預金で確保できている額」「今後の収入から追加で用意できる額」を分けて確認しましょう。
保有商品を全部売るか、全部持ち続けるかの二択で考える必要はありません。

売却して資金を確保する場合も、学費の支払い直前まで待つと、値動きと出金手続きの両方に左右されます。
商品ごとの受渡日、金融機関の出金締め切り、休日を確認し、納付に間に合う余裕を持たせます。

一度に売るか分けて売るかで、必ず有利になる方法はありません。分ければタイミングは分散しますが、残した分の下落リスクは続きます。
「もう少し上がれば」という期待とは別に、支払いに必要な額を確保する計画を立てることが大切です。

これからの積立額を減らすことと、すでに持っている商品を売ることも別の判断です。新しい積立を預金へ振り向けるだけで必要額に届くか、まず計算してみましょう。

10年以上先なら、全額投資してもよい?

時間があるほど長期運用を検討しやすくなりますが、10年以上なら損をしないとはいえません。
進路や家計の変化で、予定より早くお金が必要になることもあります。

運用を使う場合は、進学時期が近づいたときにどう支払い用資金を確保するかも決めておきましょう。
年1回や進路が決まった時点などに、必要額と預金残高を見直す方法があります。決まった年数だけで機械的に判断せず、支払いを待てる余地がどれだけあるかを確認します。

なお、この記事は保護者自身のNISAを想定しています。子ども名義の口座には制度ごとの条件があるため、同じように自由に払い出せるとは考えず、利用する制度と金融機関の案内を確認してください。

まとめ:投資額より先に、納付できる金額を決める

教育費とNISAを両立させる第一歩は、支払予定と現金残高を見えるようにすることです。今日確認するなら、次の3点から始めてみてください。

  • 3年以内の教育費を、金額と納付時期に分ける。
  • 生活費・緊急用資金と重複しない教育費の預金残高を確認する。
  • 不足額を残りの積立回数で割り、その後に投資余力を考える。

必要な教育費を確保したうえで、当面使わないお金を長期投資に回す。預金と投資にそれぞれ役割を持たせると、相場の動きに家計を合わせる負担を減らせます。

年末の追加投資も気になる方は、NISAの年間投資枠は使い切るべき?年末に焦らないための3つの確認も参考にしてください。

本記事の計算は架空の条件による例です。特定の金融商品の購入・売却や、運用成果を保証するものではありません。