私の居宅介護支援事業所でも、ついに「ケアプランデータ連携システム」の導入検討を始めました。
私は以前から、デジタルツールを活用した業務効率化には強い関心を持っています。
もちろん、長年この仕事をしていますから、紙やFAXでのやり取りも問題なくこなせます。
しかし、日々の作業の中で「紙でのやり取りは、そろそろどうにかならないものか」「もっと時間を有効に使えないか」と常々感じていました。
ですから、前々からこのシステムは気になっていたのです。
しかし、導入には二の足を踏んでいました。
「最近はセキュリティ対策でネット環境を遮断している介護ソフトが多いし、多くの事業所は利用できないだろう」
「周りの事業所だって、まだどこも導入していないはず」
「結局、今まで通り紙を印刷したりFAXしたりする方が、新しいことを覚えなくても良いから……」
そんなふうに、環境的なハードルを理由に、導入しない状況を正当化していたのです。
意識を変えた「X」での出会いと、地域の導入状況
転機は先日、X(旧Twitter)のフォロワーの方から、このシステムの良さを教えていただく機会があったことでした。
その方は言葉だけでなく、なんと「導入方法」をまとめた自作の図解まで見せてくださったのです。
それを見て、「これなら今の環境でも導入できるかもしれない」と一気に興味が湧きました。
さらに、WAMNET(ワムネット)で自分の地域を検索してみて驚愕しました。
なんと、すでに60以上の事業所が導入していたのです。 「周りはやっていない」なんていうのは私の勝手な思い込みでした。
これは完全に後れを取っている……。
そう焦りを感じ、今更ながら必死に情報をかき集めている状況です。
アナログ作業の「もどかしさ」と見えないコスト
現状の業務フローは、効率化を常に考える私にとって、もどかしさの塊です。
- ケアプランの印刷・郵送・FAX: 毎月の膨大な手間。
- 手入力による転記: サービス事業所からFAXで届いた実績(紙)を見ながら、手作業で介護ソフトに入力し直す時間。
- ヒューマンエラー: 目視確認による転記ミスや、記載漏れの修正作業。
- 紙の廃棄と保管: FAXで来た紙はシュレッダーへ。実績の紙は倉庫で5年間保管。利用者が増えれば増えるほど、管理コストも運ぶ労力も増大します。

また毎月の経費も馬鹿になりません。
複数名のケアマネジャーが働く当事業所では、プリンターは年中フル稼働。
頻繁なインク(トナー)交換、故障や修理の対応、FAX通信費。 担当者会議のたびに人数分印刷してホッチキス止めして配布。
その紙代もインク代も、すべて事業所の持ち出しです。
紙の消費量は半端ではなく、新品の束があっという間になくなっていきます。
年間80万円超!? コスト削減と「時間」の価値
当初は「多少の経費節減になれば」程度に考えていましたが、よくよくシミュレーションしてみると、長く使えば使うほど凄い費用対効果が出るのではないかと考え始めました。
公益社団法人国民健康保険中央会の資料によると、システム導入によるコスト削減効果の試算は以下の通りです。
- 人件費削減を考慮しない場合: 約7万2千円/年 (印刷費、郵送費、交通費、FAX通信費などの物資コスト)
- 人件費削減を考慮した場合: 約81万6千円/年 (削減された業務時間の価値を含む)
導入までの流れも、思っていたよりシンプルそうです。
なぜここまでコスト差が出るのか。それは、このシステムの真価が「職員の貴重な時間を解放すること」にあるからです。
年間80万円分もの時間が、単なる転記作業や印刷作業に消えているとしたら……恐ろしい話です。
「50件担当」は正直無理!でも制度対応は必須
さらに経営的な視点で調べると、令和6年度の介護報酬改定も見逃せないポイントでした。
「居宅介護支援費(Ⅱ)」の逓減制緩和措置(担当件数を増やしても報酬が下がらない特例)の条件が変更されています。
- 改定前: ICT機器の活用 または 事務職員の配置
- 改定後: ケアプランデータ連携システムの活用 および 事務職員の配置
条件が「両方必須」になったということは、国も本気でこのシステムを普及させようとしている証拠です。
資料には「これをクリアすれば、ケアマネ1人あたり(取扱件数50件の場合)月額約40,000円の報酬メリットが出る」とあります。
ただ、ここで現場のケアマネとして一言言わせてください。 「50件なんて、担当できる自信がありません!」(断言)
毎月この人数を訪問してモニタリングは厳しすぎます。
単純計算で毎日3件訪問し続けても、17日かかります。記録や連絡調整を含めればパンクするのは目に見えています。
ですが、私が50件持つかどうかはさておき、重要なのは「国がこのシステム導入を標準ラインとして設定してきた」という事実です。
今後、この流れは加速こそすれ、止まることはないでしょう。導入は、単なる業務改善だけでなく、生き残るための経営戦略になりそうです。
まとめ:今なら「1年間無料」!導入の絶好のチャンス
利用料金は通常、月額1,750円(税込)、年間で21,000円かかります。
これでもコスト削減効果を考えれば十分安い投資なのですが、さらに調べてみると、現在「フリーパスキャンペーン」が実施されていることが分かりました。
- 特典: 年間ライセンス料(21,000円)が1年間無料
- 申請期間: 2025年6月1日 ~ 2026年5月31日
これは、まさに「渡りに船」です。 年間80万円以上のコスト削減効果が見込めるシステムを、最初の1年は無料で試せるわけです。
主要な介護ソフトの多くも対応しており、導入環境は整いつつあります。
「ネット環境が…」「コストが…」と言い訳をしている場合ではありませんでした。
業務効率化に関心のある一人として、この非効率な現状を変えるため、そしてより質の高いケアを実現するために、無料期間を活用して導入へ向けて動き出そうと思います。



