まずはネット証券会社でNISA口座を開設し、少しずつ資産形成しよう

介護の仕事は、人の人生を支える大切な仕事。利用者や家族から感謝されると、とてもうれしく感じます。同時に、自分自身の「将来」も大切にしたいですよね。

日々忙しく働きながらも、「頑張って貯金をしてるけど、これでいいのかな?」と感じたことはありませんか?
実は、その感覚はとても大事なんです。なぜなら、“お金を貯めるだけでは資産を守りきれない時代” になっているからです。

1. 頑張って貯金しても、インフレでお金の価値は減っていく

欲しいものを我慢しながら、毎月「コツコツ貯金をする」のは本当に素晴らしいことです。
ただし最近の日本では、インフレ(物価上昇) によって、同じ金額で買える物品が減ってきているのです。

  • 10年前はスーパーで5kgのお米が2,000円くらいだったのが、今では5kgで4,000円を超えることも珍しくありません。

つまり、「お米1袋=お金の価値」を基準に考えると、(10年前と比べて)今や同じ2,000円では、お米1袋を買えなくなっているということです。これがインフレーション(物価上昇)です。

日本政府は、物価上昇率(インフレ率)を年平均2%ほどに安定させることを目標としています。

では、この“たった2%”が20年続くと、お金の価値はどうなると思いますか?

20年で100万円の価値は67万円に

結論から言うと、
もし2%のインフレが20年続いた場合、今あなたが銀行に預けているお金の価値(買えるモノの量)は約3分の2(約67%)に減ってしまいます
(計算式:1 ÷ (1.02)²⁰ ≒ 0.673)

具体的に見てみましょう。

  • もし今 100万円 の貯金があれば、
    20年後には、実質的に 約67万円 分のモノしか買えなくなります。
  • もし今 1200万円 の貯金があれば、
    20年後には、実質的に 約807万円 分のモノしか買えなくなってしまいます。
    (計算式:1200万円 ÷ (1.02)²⁰ ≒ 807.5万円)

せっかく頑張って貯金した1200万円が、何もしないで銀行に預けているだけで、約400万円近くも価値を失ってしまう計算です。これは、「今まとまって持っている」お金がインフレでどうなるか、という話です。

では、「これから」毎月5万円ずつコツコツ貯金していく場合はどうでしょうか。

下記のグラフは、毎月5万円を20年間積み立てた(積立総額1,200万円)場合、そのお金の「実質的な価値」が将来どうなるかを示したものです。

積立総額は1,200万円(毎月5万円×12か月×20年間)になりますが、インフレの影響を考慮すると20年後の実質的な価値は約981万円になってしまいます。

このように、「今あるお金」も「これから貯めるお金」も、「頑張って貯金をしているのに、実質的な価値(購買力)はどんどん減っていく」ことになります。

2. インフレ対策の答えは「NISA」での資産形成

ではどうすればいいのか?
その答えの一つが、国が勧める少額投資非課税制度であるNISA口座を活用して株式などの金融資産に投資を行うことです。

このNISA口座を使えば、投資で得た利益に税金がかかりません。
通常投資で利益が出たら徴収される税金は約20%あるのですが、その税金がかからないだけでも、将来の手取り額が大きく変わります。

NISAのポイント(なぜNISAが良いのか)

  • 利益が非課税
  • 少額から始められる
  • 長期・積立・分散がしやすい
  • いつでも引き出せる(生活スタイルが変わっても柔軟)

2024年から制度が新しくなり新NISAと呼ばれる制度が開始され、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を組み合わせて利用する事ができるようになりました。
介護職員や介護支援専門員のように業務が忙しい方には、「つみたて投資枠」で毎月コツコツ積み上げる方法がぴったりだと思います。

3.NISAで何を買えばいい?(全世界株式とS&P500

「投資を勧められても、どの株を買えばいいか分からない…」

そう思うのは当たり前です。私も最初は全く同じ思いでした。毎日のニュースで「日経平均株価が上昇した。下落した。」「為替が円安」なんて聞いても、正直ピンとこないですよね。

でも実は、ひとつひとつの会社を選ばなくてもいい投資方法があるんです。

それが「投資信託を購入する」方法です。

💡投資信託とは?

かんたんに言うと、「みんなから集めたお金をプロがまとめて、世界中の株や債券に分散して投資してくれる仕組み」です。

たとえばあなたが毎月5,000円を出しても、そのお金は世界中の会社に分けて投資されるので、1社に集中するリスクが少なくなります。1社しか購入していなければ、もしその会社で不祥事や倒産などが起きた時に自分の資産は大ダメージを受けますが、分散投資を行う事でリスクを減少させることができます。

おすすめの投資信託 2選

  • 「全世界株式インデックスファンド」

世界中の株式市場(アメリカ・ヨーロッパ・日本・新興国など)全体に投資できます。

こちらの投資信託を購入すれば必然的に世界3,000社以上の株を持つのと同じ効果があります。

日本と違い人口が増え続け経済が成長している世界経済が成長すれば、あなたの資産も一緒に育つことになります。

有名なのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」通称「オルカン」と呼ばれる投資信託になります。

  • 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

アメリカの代表的な500社(アップル、マイクロソフト、コカコーラなど)にまとめて投資できる投資信託です。アメリカは長年、世界経済の中心をけん引してきた国で、長期的に右肩上がりで成長しています。

米国株に投資を希望する際に、このS&P500指数への投資信託は人気商品になります。

  • 全世界株式、米国株式、どちらを選べばいい?

どちらも、長期で積み立てることで運用益が期待できる、非常に優れた投資信託です。

ですから、「どちらが正解か」と悩むよりも、ご自身の好みで選んでしまって問題ありません。

  • 「世界全体に分散したい」→ 全世界株式
  • 「アメリカの成長を信じる」→ S&P500

迷ったら、どちらか1本を選んで毎月積み立てるだけで良いです。

4. NISAはどこで始める?(SBI証券と楽天証券)

投資を行うには証券口座と契約し、総合口座を開設する必要があります。総合口座を開設するとNISA口座も開設できます。

両社とも信頼性が高く、初心者にも分かりやすい設計になっています。
介護職員の方が使う場合の「現実的な使いやすさ」で比較してみましょう。

  • SBI証券と楽天証券の比較
比較ポイントSBI証券楽天証券
スマホアプリの使いやすさ操作がシンプルで多機能。株・投資信託・外貨など幅広く対応見やすい画面構成。初心者にも直感的
積立設定の柔軟性1日・週・月単位で積立可能。少額からもOK月単位中心だがポイント連携が強い
ポイント活用Vポイント・Pontaポイントで投資可能楽天ポイントで投資・積立が可能
外国株の強さ米国株・ETFの種類が豊富米国株も扱うがSBIほどではない
サポート・学習機能投資初心者向けコンテンツが充実動画や解説記事がわかりやすい

※(補足:もし個別株にも挑戦したくなったら、1株から買えるサービスも便利です。SBI証券の「S株」は手数料面で強みがありますが、詳しくは別の記事で解説しますね)

  • 普段、楽天市場や楽天銀行、楽天モバイル、楽天経済圏を使う人は楽天証券
  • より投資の幅を広げたい人、Vポイントを集める人はSBI証券、という選び方で十分です。

私はどちらの証券会社も開設しており使用しています。

証券口座:SBI証券 [ SBI証券の口座開設はこちら(公式サイト) ]

証券口座:楽天証券 [ 楽天証券の口座開設はこちら(公式サイト) ]

5. どうやって続ける?「ドルコスト平均法」が味方になる

投資は「いつ買うか」よりも、「どのように続けるか」が大切です。
そのために有効なのが ドルコスト平均法。これは、毎月一定額を自動で投資する方法です。
たとえば毎月1万円を投資信託で積み立てると、価格が高い月は(同じ1万円で)買える口数(量)は少なくなり、逆に価格が安い月は多くの口数を買うことができます。

これを続けると、自動的に「安い時に多く買い、高い時に少なく買う」ことになり、結果として全体の平均購入単価をならす(下げる)効果が期待できます。

実際のイメージ(例)

基準価額購入金額購入口数
1月1,000円10,000円10.0口
2月800円10,000円12.5口
3月1,200円10,000円8.33口
4月900円10,000円11.11口
合計40,000円41.94口

平均取得単価:40,000 ÷ 41.94 ≒ 953円

価格が上下しても、平均すると購入単価が安定しているのが分かりますね。

この投資法の最大のメリットは、相場の「高い」「安い」を自分で判断する必要がない点です。

日々の値動きを気にする時間がない忙しい介護職員の方でも、ほったらかしで“自動で”資産形成を続けられるため、非常に相性が良い投資法と言えます。

6. 忙しい介護職員が投資を続けるコツ

  1. まずは投資を始めてみる。金額は無理しない
     → 月5,000円、10,000円でもOK。投資を続けることが最大の成功。
  2. 給料日に自動積立設定
     → 手動で操作しない仕組みが一番強い。
  3. ボーナス時だけ追加投資
     → 余裕のある時期だけ投資額を増やしてもOK。
  4. スマホで月1回だけ確認
     → 積み立てた口座は口座は月に1回見るだけで十分。遠い未来のために日々の値動きは気にしない。
  5. 焦らず“長期目線”で
     → 10年、20年と時間を味方につける。

“投資”は特別な人だけのものじゃない

投資は「お金に余裕がある人がやること」って思っていませんか?

NISA口座で投資信託を購入すれば、100円からでも投資を始めることができます。

大事なのは「株式について難しい勉強をすること」よりも、「自分の生活の中に、未来への積立投資を入れること」。

将来、「あのとき始めてよかったな」と思えるように、まずは全世界株式かS&P500から、気軽に一歩を踏み出してみましょう。

7. まとめ:「未来を支えるのは、今の自分」

介護の仕事は、人の人生を支える尊い仕事です。
でも、自分自身の将来も守ることを忘れないでください。

  • 「貯金」だけではインフレに負けてしまう
  • 「投資」を組み合わせることで、お金の価値を守れる
  • 「NISA」を使えば、税金の優遇も受けられる

この3つを理解して行動できれば、将来の安心感が大きく変わります。
まずは SBI証券 または 楽天証券 でNISA口座を開いてみましょう。
最初の一歩が、きっとあなたの未来を変えるきっかけになります。

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当ブログは情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
当ブログの情報に基づいて生じたいかなる損失についても、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。