「そろそろ車を買い替えたいな…」
「でも、新車を買うお金をNISAで投資したら、10年後はいくらになるんだろう?」

投資をしていると、必ずこの「車の買い替え vs 資産形成」というジレンマにぶつかりますよね。
特に、街中で自分が昔乗っていた車の新型車(なかなか買えない人気車種)を見かけた時など、心が激しく揺れ動くものです。

実は先日、私も危うく「数百万円の散財」を決意しかけました。
信号待ちで目の前を通り過ぎた車のシルエットに理性を奪われ、すぐにディーラーへ電話しようと本気で考えてしまったのです。

今回は、セミリタイア(サイドFIRE)を目指す40代の私が、なぜ喉から手が出るほど欲しかった車を見送り、今の愛車を乗り続けると決めたのか。
その「投資家としての冷静な判断プロセス」についてお話しします。

もしあなたが、「新車も欲しいけど、老後資金も心配」と悩んでいるなら、この記事が「踏みとどまるためのブレーキ」になるはずです。


通勤途中の悪魔のささやき。「あの人気SUV」の誘惑

信号待ちをしていた私の目の前を、納期未定と言われる「人気SUV」が通り過ぎていきました。

角張ったボディ、丸目のヘッドライト、圧倒的な存在感。
若い頃は大型四駆を何台も乗り継いできた、根っからのクロカン四駆好きなんです。

あの高い視点から見下ろす優越感、重厚なドアを閉めた時の安心感……。
あの車に乗れば、所有欲は完全に満たされるでしょう。

  • 「今の車を下取りに出せば、追い金はこれくらいで済む…」
  • 「あの車はリセール(残価)が高い車だから、浪費じゃなくて『実物資産』への投資では?」

そんな都合の良い言い訳が、脳内を駆け巡りました。
本当に新車価格を大きく上回る「プレミアム価格」で販売している中古車屋に、電話をする寸前でした。
投資の世界では「高値掴み」を避けるのが鉄則なのに、車のこととなると、なぜか冷静さを失ってしまう。これが我々中高年が、青春時代から犯されている「車の魔力」なんです。


その新車、10年後の「1,000万円」を捨ててまで欲しいですか?

私が電話を踏みとどまれた最大の理由。
それは、私の頭の中で家計を守る『投資家脳』が急ブレーキをかけたからです。

「その500万円、車に変えるか? それともS&P500に変えるか?」

シミュレーションした結果、あまりにも残酷な数字が弾き出されました。

車に使う500万円 vs S&P500やオルカンに投資した500万円

もし今、追い金として手元の500万円を車に使ったとします。
一方で、そのお金を新NISAで年利7%(S&P500やオルカンなどのインデックス投資)で運用したとしたら?

10年後の未来は、これほど残酷に分岐します。

【シミュレーション条件:元本500万円 / 期間10年】

  • 投資した場合(年利7%運用): 複利の力で成長し、10年後には約983万円に達します。
  • 車を買った場合(残価率50%): どんなに人気車種でも消耗し、価値は下がります。10年後の査定は良くて250万円程度でしょう。
年数S&P500投資
(年利7%)
車購入
(残価率50%)
差額
0年後500 万円500 万円0 万円
1年後535 万円475 万円60 万円
2年後572 万円450 万円122 万円
3年後613 万円425 万円188 万円
4年後655 万円400 万円255 万円
5年後701 万円375 万円326 万円
6年後750 万円350 万円400 万円
7年後803 万円325 万円478 万円
8年後859 万円300 万円559 万円
9年後919 万円275 万円644 万円
10年後983 万円250 万円733 万円

その差、約730万円以上。

これが、経済学でいう「機会損失(オポチュニティ・コスト)」の正体です。
目の前を通り過ぎたあのカッコいい車は、「10年後のセミリタイア資金(約730万円分)」を燃料にして走るモンスターなのです。

「今の見栄」を取るか、「未来の自由」を取るか。
天秤にかけた瞬間、頭の中で答えは決まりました。


今の愛車を「資産形成マシン」と定義し直す

「でも、今の車は飽きたし、ワクワクしない……」
その気持ち、痛いほど分かります。私もそうでした。

しかし、視点を変えてみてください。
今あなたが乗っているその車、実は「蓄財の守護神」かもしれません。

私の愛車は2025年式のプリウスPHEVです。
SUVのような派手さはありませんが、夜間の割安な電力を充電して走ることで、驚異的な低コスト運用を実現しています。

「走れば走るほど、普通のガソリン車よりもお金が浮く」

つまり、この車に乗ること自体が、入金力を高め、資産形成を加速させているのです。
実際に私がどれくらいのコスト(電気代・燃費)で運用しているか、具体的な数字はこちらの記事で毎月公開しています。感覚ではなく「数字」で見れば、今の車への愛着が湧いてくるはずです。

「車への飽き」は数千円の投資で解決できる

車を買い替えたくなる最大の理由は、実は「性能不足」ではなく単なる「飽き(マンネリ)」であることが多いです。

数百万円を使って新車や中古車に買い替える前に、まずは数千円の投資を試してみてください。
私は最近、車内エンタメの充実化(Amazon Fire TV Stickの導入など)を計画しています。

  • 退屈だった通勤時間を、お気に入りの投資YouTuberの動画を聞き流す「インプットの時間」に変える。
  • スポーツ中継をラジオ感覚で楽しむ。

車内を「最強の書斎」にアップデートするのです。
ハードウェア(車体)を変えなくても、ソフトウェア(過ごし方)を変えれば、新鮮さは取り戻せます。
数百万円の散財を、数千円の工夫で食い止める。これも立派な投資判断です。


家族間での「車の配置転換(ローテーション)」で資産を守る

運転できるご家族がいる方におすすめしたいのが、「車の配置転換(ローテーション)戦略」です。

我が家の場合、免許を取得したが車は持っていない子供がいます。
そこで、「妻が乗っている古い車を初心者の子供に譲り、妻は新しく購入するという配置転換も考慮しています。」
家族が増えると車の台数も増えます。駐車場や整備費など、自動車購入費以外にも必要な経費が増える事で資産形成のブレーキにもなってしまいます。


まとめ:今の愛車を「相棒」として使い倒す

街ですれ違う、ピカピカの高級車たち。
「いいなぁ」と羨んでいました。でも今は、少し違う目線で見ています。

  • 人気の車を買っている人:憧れるくらいの富裕層。 自動車を購入する事で満足を買った人。
  • 車を我慢して投資した人: 未来の自由を買っている人。

そう思うと、今の自分の車は、頼もしい「相棒」に見えてきませんか?

洗車傷がつこうが、泥がつこうが気にしない。
気を使わずにガシガシ使い倒して、浮いたお金を確実にNISA口座で育てる。

セミリタイアを達成した時。 その時にまだ車への情熱が残っていたら、好きな車を買いましょう。
もちろん、キャッシュではなく投資家として最適な買い方で!

どんなプレミアムカーでも買える自分になっていることが、今の私たちの目標です。

それまでは、今の愛車と一緒に、淡々と資産形成の道を走っていきましょう。