こんにちは、主任ケアマネのMamoruです。
連日ニュースで話題になっていますが、高市早苗総理が打ち出した経済対策、皆さんチェックされましたか?
目玉は何と言っても、長年の悲願だった「ガソリン税(暫定税率)の廃止」と、さらに「電気代への助成金」です。
ガソリン価格が今の170円台から、一気に「1L=150円」前後まで値下がりすることが現実味を帯びてきました。 私たち車必須の地方在住者や、仕事で自動車を使うケアマネジャーにとっては、本当に朗報です。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。
「ガソリンが150円まで安くなったら、わざわざ車両価格が高いPHEV(プラグインハイブリッド)やEV(電気自動車)に乗るメリットはなくなるのでは?」
私は毎日、仕事で往復50kmの距離を通勤しています。 この記事では、「ガソリン価格150円」という新時代の設定で、以前乗っていた「ガソリン車」と、現在の「PHEV」の燃料費を徹底比較してみました。
この記事では、この「ガソリン価格150円」という設定で、以前乗っていた「ガソリン車」と、現在の「PHEV」の燃料費を徹底比較してみました。
結論から言うと、今後「電気代の助成」も加わるため、PHEV/EVの優位性は変わりません。
むしろ、毎月1,000km以上走る方は、以前と変わらず「年間約10万円以上」の差が出ることが分かりました
私が実践している「投資原資」を生み出す具体的な方法を、すべて公開します。
1.【基礎知識】そもそも「PHEV」や「EV」って何?
コスト比較に入る前に、少しだけ言葉の整理をしておきましょう。
「ハイブリッド車なら知ってるけど…」という方も多いと思います。
- EV(電気自動車)
- ガソリンを一切使いません。100%電気だけで走る車です。
- 自宅や充電スタンドで「充電」して走ります。エンジンがないのでオイル交換も不要です。
- PHEV(プラグイン・ハイブリッド自動車)
- 私が乗っているのはこの車です。
- 簡単に言うと「電気自動車」と「ガソリン車」のいいとこ取りです。
- 自宅で「充電」して、普段の通勤や買い物は「電気」だけで走れます。
- 電気がなくなったり、遠出をする時は「ガソリン(ハイブリッド)」で走れます。
どちらも共通しているのは、「ガソリンではなく、安い『電気』を燃料にして走れる」という点です。 これが、これからお話しする「圧倒的な節約」の鍵になります。
2. 【比較】ガソリン車 vs PHEV(EV):月間の燃料費はいくら?
では、実際にどれくらい金額が違うのか、私の通勤条件で計算してみましょう。
- 毎日の通勤距離: 往復50km
- 月の勤務日数: 22日
- 月間走行距離: 50km × 22日 = 1,100km
① 以前(ガソリン車)の燃料費
以前乗っていたミニバンは、季節によってこれくらい燃費が違いました。 これを、ガソリン価格150円/Lで計算してみます。
【エアコンON・夏冬】(燃費 12km/L) (1,100km ÷ 12km/L) × 150円 = 月額 約13,750円
【エアコンOFF・春秋】(燃費 14km/L) (1,100km ÷ 14km/L) × 150円 = 月額 約11,786円
私の通勤距離では、ガソリンが150円まで下がっても、毎月1.2万〜1.4万円ほどの燃料費がかかる計算です。(参考:当時の173円なら、月額 約15,858円もかかっていました…)
② 現在(PHEV/EV)の電気代
次に、PHEVの電気代です。
まず、ガソリン車の「燃費」にあたる言葉が「電費(でんぴ)」です。
これは「1kWh(キロワットアワー)の電力で何km走るか」を示します。
この「電費」の数値が高い(=少ない電気で遠くまで走れる)ほど、使用する電力量が少なくなり、電気料金が安くなります。
私のPHEVの実際の電費は、やはり季節で変動します。
- 電費(エアコンON・真夏、真冬): 7.8km/kWh
- 電費(エアコンOFF・春、秋): 8.8km/kWh
これを、我が家の電力契約で計算します。
- 契約プラン: オール電化住宅の「夜間電力」プラン
- 充電方法: 「電気代が安い夜間電力」の時間帯に充電
3. 【Q&A】電気代の「単価」って、どう計算すればいい?

まもるさん、電気代の計算ってややこしいですよね…。夜間電力って、本当にそんなに安いんですか?

良い質問ですね!『夜間電力』は確かに安いですが、注意点が2つあります。

まず、①基本単価は契約プランで違うこと。
そして、②実際の電気代は『変動』するということです。

変動する? どういうことですか?

電気の請求書を見ると、基本単価のほかに、
1.燃料費調整単価(毎月変動)
2.再エネ賦課金(毎年変動)
3.託送料金相当額(送電網の利用料)が『すべて込み』になっています。
だから、『基本単価33円』 と思っていても、燃料費が安い月は29円くらいになったり、再エネ賦課金が上がった月は34円くらいになったりするんです。

なるほど…。じゃあ、計算する時はどうすれば?

その通り! なので、一番信頼できるのは、その『実際の変動幅』で計算することです。
私の実績では、夜間電力の単価は『1kWhあたり約29円~34円』の間で変動しています。
今回は、この『変動幅』で計算してみましょう。
4. 【結論】PHEV/EVが圧勝!年間10万円以上のNISA原資が誕生
では、先ほどのQ&Aで出てきた「変動幅」を使って、月間の電気代を計算します。
- 【エアコンON・夏】(電費 7.8km/kWh)(50km ÷ 7.8) × 22日 × (29~34円) =
月額 約4,090円 ~ 4,794円 - 【エアコンOFF・春秋】(電費 8.8km/kWh)(50km ÷ 8.8) × 22日 × (29~34円) =
月額 約3,623円 ~ 4,248円
結果を比較表にまとめてみましょう。
| 条件 | ガソリン車(ミニバン) | PHEV/EV(夜間充電) |
| エアコンON (夏・冬) | 約13,750円 | 約4,090~4,794円 |
| エアコンOFF (春・秋) | 約11,786円 | 約3,623~4,248円 |
ご覧の通り、ガソリンが150円になってもPHEV/EVの圧勝です。
差額は毎月約7,500円~9,000円ほど。 これを年間にならすと、「年間約10万円」のお金が浮くことになります。
この差額は、まさに家計にとって大きな「プラス」です。 そして、資産形成を考える私にとって、この「年間10万円」は、NISAやiDeCoに回せる「最強の投資原資」に他なりません。
しかし、驚くのはまだ早いです。 実は、私が実践している「ある工夫」を使えば、この電気代をさらに安く(場合によっては0円に)することができます。
シミュレーション以上の節約を実現する「3つの工夫」を、次にご紹介します。
5. なぜここまで安くなるのか? 3つの「工夫」
「PHEV/EVにしたら誰もが安くなる」わけではありません。
この節約術を最大化しているのは、3つの「工夫」の掛け合わせです。
工夫①:オール電化の「夜間電力」で充電
我が家は200Vの充電設備を自宅に設置しています。
50㎞走行しますので、50㎞÷約8km≠約6kWhの電力が通勤で必要。
家庭用充電では1時間に3kW出力で充電しますので、2時間強ほどで満充電になります。
(※残り1kWになると電池保護のためにゆっくり充電になります)
これを、単価の高い日中ではなく、単価が安い「夜間電力」の時間帯に充電するようタイマーをセットしています。
充電時間は自動車メーカーのアプリで設定ができます。
先ほどのQ&Aの通り、「燃料費調整単価」 などを含めても、日中の単価(私の契約では40円以上)より遥かに安い、29円〜34円のレンジで充電できることが、節約の第一のキモです。
工夫②:【休日限定】太陽光発電で「0円充電」
さらに強力なのが、休日の充電です。 我が家は5.7kWhの太陽光発電を設置しています。
休みの日の日中、太陽が出ていれば、その「発電した電気」をPHEVに直接充電します。 この場合、電力会社から電気を買わないため、電気代は実質0円です。
どれくらい安くなるか、試算してみましょう。
- 通常の充電(夜間電力): 1回あたり約180円~200円
- 太陽光充電: 0円
もし、週末の休み(月4回)に太陽光で充電し、月曜日の通勤に使ったとします。
すると、月額 約800円、年間で約10,000円も電気代がさらに安くなります。
シミュレーションで出した「年間10万円の節約」に、この「太陽光ボーナス(1万円)」が加わるので、実質的には年間11万円以上の投資原資を生み出していることになります。
工夫③:【重要】FIT終了後の方こそ、PHEV/EVは最強
太陽光発電のFIT制度(固定価格買取制度)が終了すると、売電価格は(夜間電力の買電価格30円前後 より)非常に安くなってしまいます。
安い金額で売電するくらいなら、
- PHEV/EVに(休日に)直接充電する
- 蓄電池に貯めて(平日に)充電する
このように、「発電した電気で自分の車を走らせる」ほうが、圧倒的に家計の節約につながります。
発電した電気を「売る」のではなく「自分で使う」。
PHEVやEVは、太陽光発電の価値を最大化する「走る蓄電池」の役割も果たしてくれるのです。
6. 【Q&A】「太陽光」と「蓄電池」があれば最強じゃない?

まもるさん、待ってください。
②の方法は、車を通勤で使ってない『休日』しかできませんよね? 平日の日中は、車は職場にあるし…。

その通りです! 素晴らしいご指摘です。
それこそが、現在の私の仕組みの『課題』です。
日中に発電した『0円の電気』を、車が帰宅する『夜』に使えたら最強ですよね。

それを可能にするのが、もしかして…

その通り! 正解は【蓄電池】です。
これがあれば、昼間に発電した電気を貯めておけます。 そうすれば、夜に仕事から帰ってきた後でも、その『貯めた電気』で車を充電できるんです。

それなら、電力会社から電気(夜間電力)を買う必要すらない…? つまり、車の燃料費が『ほぼ0円』になるってことですか!

そういうことになりますね。 私は、蓄電池についてはまだ初期導入費用が高いので、今後検討することとしています。
しかし、将来的に蓄電池の価格が下がれば、PHEV/EVと太陽光発電の組み合わせは、家計にとって『究極の防衛策』になると確信しています。
7. 燃料費だけじゃない!購入と維持の「経済的メリット」
PHEVやEVのメリットは、月々の燃料費だけではありません。
「購入時」と「維持費」にも、大きな優遇措置があります。
メリット①:国の「購入補助金」
私が購入した際はPHEVには、55万円の補助金がありました(今年度は60万円に上がっています)。
これは購入時の負担を大きく減らしてくれる、非常に強力な制度です。
(※ただし、多くの場合「4年間の保有義務」などがあり、途中で売却すると月割りで返却が必要です。)
メリット②:自動車税(種別割)の「グリーン化特例」
EV・PHEV・FCV(燃料電池車)は、新車登録した翌年度の自動車税が「75%割引」になります。
これも、購入した次の年に実感できる、大きなメリットです。
メリット③:自動車重量税の「エコカー減税」
EV・PHEVは、自動車重量税も優遇されています。
新車購入時と、その後の「初回車検時」の2回分、重量税が100%免税(=0円)になります。
メリット④:メンテナンス費の削減(PHEV/EV共通)
通勤(50km)でエンジンを一切かけないため、エンジンオイルが汚れません。(EVはそもそもエンジンオイルがありません)
通常5,000kmで推奨されるオイル交換も、12ヶ月点検で交換した際、整備士さんから「全然キレイですね」と言われたほどです。
年1回の交換でも多すぎるかもしれません。
8. 結論:車を「負債」から「投資原資を生む仕組み」へ
PHEVやEVは「環境に優しい」とよく言われますが、資産形成の観点から見ると、それは「毎月の固定費を見直し、投資原資を生み出すための、強力な選択肢」です。
車は「負債」だと言われがちですが、
- 燃料費(夜間電力・太陽光で削減)
- 購入費(補助金で削減)
- 維持費(税金・メンテナンス費で削減)
これらをトータルで考えることで、「年間10万円以上」という新たなキャッシュフローを生む「仕組み」に変えることができるのです。
さらに、追い風があります。 ニュースでも報じられている通り、今後は「電気代への支援(補助金)」も拡充される方針です。
もしこれが実現すれば、今回のシミュレーションよりもさらに電気代が安くなり、ガソリン車との差(節約額)はもっと広がることになります。
私は、こうして生まれたお金を「NISA口座」で運用し、お金自身にも働いてもらっています。
今回の記事が、皆さんの家計見直しと資産形成の一助になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
