「主任ケアマネ 要件」 「主任ケアマネ 給料」

今、このブログに辿り着いたあなたは、検索窓にそう打ち込んで、未来への希望を探しているのかもしれません。
「主任」という肩書きがつけば、給料が上がり、一目置かれ、キャリアアップできる――そう信じているのではないでしょうか。

私は介護業界に身を置いて20年以上、ケアマネジャーとして、そして管理者として15年以上現場を見てきました。 その経験と、厚生労働省の公開資料(一次情報)を突き合わせた結論を、最初に言います。

主任ケアマネジャーになっても、魔法のように仕事ができるようにはなりません。
そして、残念ながら給料が劇的に上がる保証もありません。

あるのは、「実務経験5年」という高いハードルを超えた先に待っている、「終わりのない研修ノルマ」「責任」だけです。

今日は、教科書的な「要件」の解説だけでなく、きれいごと抜きの「現場の残酷な真実」と、それでも私がこの仕事を続けながら見出した「本当の生き残り戦略」についてお話しします。


1. 【表の知識】主任ケアマネになるための「公式要件」

まずは、皆さんが知りたいであろう「表向きのルール」を整理しましょう。
ここは感情抜きで、国の資料に基づいた事実をお伝えします。

主任介護支援専門員(主任ケアマネ)になるためには、都道府県が実施する「主任介護支援専門員研修」を修了する必要がありますが、その門は狭いです。

必須要件:専任で実務経験5年

最も基本的な要件は、「専任の介護支援専門員として、通算5年(60ヶ月)以上の実務経験があること」です。 新人ケアマネがどんなに優秀でも、物理的な時間が経過しなければ門前払いです。

その他のルート(例)

「5年」に加え、以下のいずれかの条件を満たすことが求められます。

  • ケアマネジメントリーダー養成研修を修了し、その後3年以上の実務経験があること。
  • 日本ケアマネジメント学会が認定する「認定ケアマネジャー」であり、3年以上の経験があること。
  • 地域包括支援センターなどで、ケアマネジャーの支援業務に従事した経験があること。

研修時間はなんと「70時間」

要件を満たして終わりではありません。
そこから合計70時間にも及ぶ研修が待っています。これを業務の合間を縫って受講し、ようやくスタートラインに立てるのです。


2. 【裏の真実】資格取得は「希望」ではなく「強制」だった

さて、ここからが本題です。 私が主任ケアマネを取得した理由。それは「スキルアップしたい!」というキラキラした動機ではありませんでした。

「事業所の管理者要件だから、取ってこい」

会社からの、実質的な業務命令です。

「管理者要件」という人質

厚生労働省の資料には、「管理者は主任ケアマネジャーであることが必要」と明記されています。
以前は普通のケアマネでも管理者になれましたが、制度改正により原則「主任」必須となりました。つまり、事業所を存続させるために、誰かが人柱にならなければならない。それが私でした。

給料は「1円」も上がらなかった

「会社のお金で資格を取らせてもらえるなんて、ラッキーじゃないか」 そう思う人もいるでしょう。
確かに受講費用は会社持ちでした。しかし、資格取得後に私の給与明細はどう変わったか?

1円も変わりませんでした。

なぜか? それは経営者がケチだからだけではありません。「構造的に上げられない」のです。

国の実態調査によると、居宅介護支援事業所の収入に対する給与費の割合(人件費率)は、84.1%にも達しています。
特養(64.6%)や通所介護(64.2%)と比べて異常に高い数字です。

つまり、ケアマネ事業所は「入ってきたお金の8割以上を既に人件費として配ってしまっているカツカツの状態」なのです。 この構造の中で、主任資格を取ったからといって、原資がない以上、大幅な昇給など望めるはずがありません。これが、データが証明する「稼げない理由」です。


3. 本当の地獄は「取った後」に待っている

「5年頑張って、70時間の研修を受けた。これでゴールだ」 そう思ったあなた。甘い考えです。

主任ケアマネには、一般のケアマネとは比較にならない「維持コスト」がかかります。

「更新制廃止」でも研修ノルマは消えない

2025年末の審議会で「ケアマネの更新制廃止」の方針が出されましたが、喜ぶのは早計です。 国は「更新手続き」をなくすだけで、「研修受講の義務」はなくしていません。

現行の制度でも、主任ケアマネを維持するためには、「毎年4回以上」の法定外研修に参加するなどの厳しい要件があります。

  • 業務時間内に研修へ行ければまだマシ。
  • 人手不足で業務が回らず、休日に自腹で研修に行く。
  • 実習生を受け入れて指導すれば要件になりますが、そもそも実習生が来ない事業所はどうすればいいのか。

給料は上がらない(人件費率84%の壁)のに、維持するための時間と労力だけが雪だるま式に増えていく。 これほどコストパフォーマンスの悪い資格、あなたは本当に欲しいですか?


4. 嫌いな上司と「投資」が私を変えた

給料は安い。研修は面倒。 そして、当時の私には「どうしても反りが合わない嫌いな上司」がいました。

「辞めたい」と何度思ったかわかりません。 しかし、当時30代、妻も子供もいて生計の重い責任があります。「雇われの身」である以上、事業所が閉鎖されれば放り出されます。もう本当に嫌々でしたが主任ケアマネの資格を取得する事となりました。

「このまま会社の言いなりで、安月給のまま定年を迎えるのか?」
「嫌いな上司に頭を下げ続け、研修ノルマに追われる人生でいいのか?」

その絶望感が、私を「株式投資(資産形成)」へと駆り立てました。

「資格」ではなく「資産」を信じる

私は決意しました。「会社や資格に、私の人生の安泰を期待するのはやめよう」と。

そこから私は、積み立てNISAを始めました。 リスクを取ってでも、資産を築くために米国のS&P500への投資を行い「いつでも会社を辞められるだけの資産(F-U Money)」を持つことこそが、嫌な上司や理不尽な制度に対する最大の防御策であり、攻撃であると気づいたからです。

しかし、かつて私は、FXなどで300万円近い損失を出したこともあります。


それでも諦めずに投資を続け、学び直した結果、今ではその損失を取り戻し、プラスの領域にいます。

もし、私が「主任ケアマネを取れば人生安泰だ」と信じ込んでいたら、今の資産はなかったでしょう。 「資格では食っていけない」という絶望が、私を投資家にしたのです。


5. まとめ:これから主任ケアマネを目指すあなたへ

少し厳しいことばかり書きましたが、誤解しないでください。
私は「主任ケアマネなんて取るな」と言っているわけではありません。

管理者として、あるいは地域包括ケアの要として、主任ケアマネは間違いなく「一目置かれる」存在です。 高度なスキルを学ぶ機会でもあります。要件(実務5年)を満たしているなら、絶対に取っておくべきです。

しかし、これだけは覚えておいてください。

「資格は、あなたをお金持ちにはしてくれない」

この業界の構造上、給料の大幅アップは望めません。
資格はあくまで、仕事をするための「免許証」に過ぎません。 その免許を使って稼いだ給料を、どうやって守り、増やしていくか。

「CARE(介護)」のスキルだけでなく、「MONEY(お金)」のスキルも同時に磨かなければ、この業界で笑って生き残ることはできません。

マネックス証券

研修の多さに辟易している暇があったら、その怒りをエネルギーに変えて、証券口座を開きましょう。
制度に振り回される「駒」ではなく、自分の人生をコントロールする「プレイヤー」になるために。