こんにちは、主任ケアマネのMamoruです。
「介護職の賃上げの政策についてニュースを見たけど、結局いくらもらえるの?」
「12月から開始なの?もう給料日が過ぎてるけど間に合うの?」
そんな現場の声に応えるべく、令和7年12月25日に厚生労働省から発出された「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(Vol.1454)」の全30ページにわたる資料を徹底的に読み込みました。
今回の支援は、単なる「バラマキ」ではありません。
「強い経済を実現する総合経済対策(令和7年11月21日閣議決定)」に基づき、令和8年の報酬改定を待たずに「人材流出を食い止める」ために政府が断行した、異例の緊急国策です。
しかし、高市早苗首相は本当に良い政策を決定されます。
私たち介護保険・医療保険の下に働いている人間にとっては本当にありがたい政策です。
本記事では、この支援金の「金額の計算方法」「対象サービス詳細」、そして「ケアプランデータ連携システム」がなぜ必須条件と言えるのか、その根拠を詳細に解説します。

1. そもそも、どんな仕組みのお金なのか?
今回の支援金は、「職員一人ひとりに一律〇万円配る」というものではありません。
事業所ごとの「総報酬」に、サービスごとに決められた「交付率」を掛け算して、事業所にドカンと支払われます。
計算式:補助額 = 基準月(令和7年12月)の介護総報酬 × 交付率
この「総額」を原資として、職員の賃金改善(基本給やボーナス)に充てる仕組みです。
つまり、「交付率」が高いほど、事業所に入ってくるお金が増え、私たちの給料アップの幅も大きくなります。
2. 【詳細版】サービス別・交付率一覧(ここが変わる!)
今回の目玉は、サービスによって「生産性向上(ICT活用など)」に取り組んでいるか否かで、交付率に大きな差がつく点です。
以下、主要サービスの最大値と内訳を整理しました。
【① 訪問・通所系(生産性向上で上乗せあり)】
基本の賃上げ分に、データ連携などの「生産性向上要件」を満たすと、さらに上乗せがあります。
| サービス | 最大交付率 (①+②+③) | 内訳(基本+上乗せ) |
| 訪問介護 | 26.4% | 基本21.6% + 上乗せ4.8% |
| 認知症対応型通所介護 | 34.8% | 基本28.8% + 上乗せ6.0% |
| 地域密着型通所介護 | 24.6% | 基本21.0% + 上乗せ3.6% |
| 通所介護(通常) | 19.2% | 基本16.2% + 上乗せ3.0% |
※この「上乗せ分(4.8%など)」をもらうための必須条件の一つが、「ケアプランデータ連携システムへの加入」です。加入しないだけで、受給額が数百万単位で変わる可能性があります。
【② 施設・居住系(生産性向上で上乗せあり)】
| サービス | 最大交付率 | 備考 |
| 介護老人福祉施設(特養) | 23.4% | 基本19.2% + 上乗せ4.2% |
| 認知症対応型共同生活介護 | 27.0% | 基本21.6% + 上乗せ5.4% |
※施設系の上乗せ要件は「生産性向上推進体制加算」の取得などが主ですが、ショートステイなどはデータ連携システム加入も要件として認められています。
【③ 訪問看護・居宅介護支援(今回は対象!)】
ここが今回の大きなポイント。普段は対象外になりがちな職種もしっかりカバーされています。
| サービス | 交付率 | 備考 |
| 居宅介護支援(ケアマネ) | 15.0% | ケアマネに対しては、過去一度もなかった国の支援となる。一律15% |
| 訪問看護 | 13.2% | 看護職の処遇改善へ |
先日、大阪府の介護職へ3万円の給付が決定しましたが、同府の方はより多くの賃金上昇が見込めますね。
3. なぜ「ケアプランデータ連携システム」が“最強の鍵”なのか
「補助金の要件」を読み解くと、このシステムを導入するメリットが2つのパターンで浮かび上がってきます。
パターンA:もらえる金額が増える(訪問介護・通所介護など)
訪問介護の場合、システムに未加入だと交付率は21.6%止まりですが、加入すると26.4%に跳ね上がります。
その差、4.8%。
例えば、月の報酬が500万円の事業所なら、ひと月あたり約24万円、半年分で約144万円もの差がつきます。年間2万1千円のシステム利用料など、一瞬で回収できる計算です。
パターンB:面倒な書類作成が免除される(居宅・訪看など)
居宅介護支援や訪問看護が今回の補助金をもらうには、以下のどちらかを満たす必要があります。
- 「ケアプランデータ連携システム」に加入していること
- 処遇改善加算Ⅳに準ずる複雑な規定(賃金体系・研修計画など)を全て整備すること
正直、小規模な事業所で「2」の賃金規程やキャリアパス要件を今から整備するのは非常に手間がかかります。
しかし、「1(システム加入)」を選べば、それだけで要件クリアです。
つまり、データ連携システムは業務効率化ツールであると同時に、「面倒な事務作業なしで補助金をもらうための“パスポート”」なのです。
4. 「12月に間に合わない」は誤解!救済措置あり
「うちは12月にシステムを入れていないから対象外だ…」と諦めるのは早いです。
要綱には以下の通り明記されています。
「基準月(令和7年12月)において、ケアプランデータ連携システムに加入していない場合であっても、申請時に加入している又は加入を誓約した場合は、基準月から加入しているものとして取り扱う」
つまり、これから申請する時に「入ります」と言えば、12月分に遡って満額対象になるということです。
これは国の温情とも言える措置ですので、使わない手はありません。
5. 使い道のルール(賃金改善が原則)
もらったお金は好きに使っていいわけではありません。
- 基本: 職員の「賃金改善」(基本給、手当、賞与など)に充てること。
- 柔軟性: 基本給のアップが望ましいですが、一時金(ボーナス)でもOKです。
- 対象者: 介護職員が中心ですが、上乗せ部分(生産性向上分)については、事務員など介護職員以外の職種への配分も認められています。チーム全体のモチベーションアップに使えます。
まとめ:経営者にこのブログを見せてください
今回の緊急支援は、国が「介護現場の人材不足は国家の危機」と認めた証拠です。
そして、「お金は出すから、その代わりにICT(データ連携)を入れて効率化してくれ」という強いメッセージでもあります。
- 訪問介護・デイの方: システム導入で受給額を最大化してください。
- ケアマネ・訪看の方: システム導入で事務負担を最小化して受給してください。
どちらに転んでも、導入しない理由が見当たりません。
次回は、「ケアプランデータ連携システムの導入手順」について解説します。
